近年変わった、葬式のかたち
葬式も、近年、大きく変わってきました。種類も、規模も様変わりしました。
ここでは、人生の最後の儀式、葬式について考えたいと思います。葬式の規模も変わりました。種類も増えてきました。ちょっと前までの葬式とは、地域のつながりに基づいているものでした。
故人を送り出すのは、家か会館か
まず、葬儀で大きく変わった事。故人を家から送るか、葬儀会館から送るか?従来は、ほとんどが、家から出棺して、親戚と一緒に、近所の方にも、お見送りをしてもらったものです。近年、交通事情も変わって、家から送る方が大幅に減りました。ちょっと前までは、家から出棺するため、通行者や往来する車に、迷惑をかけたものです。
でも、ドライバーの皆様は怒ることなく、手を合わされていました。また、家から出棺する意味は、地域の皆様へのお知らせの意味もあります。それと、最も大事な事は、長く居住された家から、送ってあげたいという、ご遺族のお気持ちだったのです。本来の葬式は、そうだったのです。今でも、地方に行くと、家で看取ったり、病院で亡くなっても、家へ連れて帰って、自宅で安置したり・・・。
でも都市部では、故人様は、病院で臨終を迎えられて、葬儀会館に搬送されて、そこで安置されて、そこで葬式をされています。没後、家に帰ることなく、葬儀会館から出棺されます。結果、地域の皆様が、故人の逝去を知るのは、訃報と記された、町内で廻る紙切れ1枚です。でも、これも時代の流れでしょう。
平均寿命と葬儀の現状
これも大きな変化です。最近は人生100年時代と言われています。
2019年度の平均寿命、男81.09歳、女87.26歳・・・。
でも、平均というのは、若いうちに亡くなった子供たちも含んでいるので、実質はプラス5歳とも言われています。90~100歳、多くの女性が元気です。でもその女性を送る子が、すでに、70~75歳。長寿の時代において、仕方がない事です。
そうなると、自分が死んでもおかしくない歳に、100歳の親を送るのです。そこに立派な葬式が必要かどうかは、あなたの判断です。葬儀の仕方に正しい、間違いはありません。100歳の親を送るのに、20万円でも、100万円でもいいと思います。でも多くのご家庭が、100歳の親を送るのに、立派な葬儀よりも、心のこもった葬儀をと、考えられておられます。
グラフは平均寿命を表しています。葬儀も、平均寿命が伸びた結果、変わってきたのです。
最近、聞かなくなった葬式とは
最近、葬儀という言葉、よく耳にしませんか?葬式じゃないんです。じゃあ、葬式とは何でしょうか?。葬式とは葬儀と告別式の2つが引っ付いたものなのです。ご存知でしたか?
葬儀とは、死者をとむらい、ほうむる際の儀式。魂に対する儀礼の事を言います。一方、告別式とは、故人の人間関係が中心に行われるお別れの式典を言います。
葬式という言葉は、葬儀と告別式を同時にする、従来のやり方が葬式なのです。祭壇があって、ご遺体を安置して、ご僧侶が読経されている。身内が前に座っていて読経を聞いている。これが葬儀です。
後ろにも、焼香台があって、故人とお別れをしたい方、故人の生前にお世話になった方が、手を合わされている。これが告別式ですね。葬儀と告別式を同時進行するのが葬式です。
芸能人の葬式は、先に親族だけで葬儀をし、告別式・お別れ会を、後日、催されます。特に著名な芸能人の場合、ほとんどがそうです。葬儀は身内ですまして、後は故人の生前のお付き合いの方とのお別れです。
余談ですが、荼毘に付す・・・とは、仏教で火葬する事を言います。本来は仏教徒様しか使わない言葉ですが、近年では、みんなが使うようになりました。
一般葬と家族葬と直葬
その告別式を同時にしないのが、家族葬です。一般葬(葬式)は親族以外がお参りされるために、式場の後ろの扉を開けます。そして、一般の方に、お参りをしてもらいます。
家族葬とは、一般の方には知らせず、お身内だけで執り行いますので、後ろの扉は閉める事がほとんどです。それが大きな違いです。
多くの方は、家族葬は僧侶による読経もない、祭壇も無い。そんな事を思われますが、それは、違います。その読経もなく、祭壇もないのが、直葬(じきそう)・密葬と呼ばれるものです。故人を火葬場に送るだけの葬送です。でも直葬の取り扱いでも、信心深いご家族は、読経を頂かれます。直葬、密葬は祭壇の飾りつけもなく、安置所から火葬場へ送られるものと、お考え下さい。
下のグラフは、家族葬と一般葬の比率です。15年前と比べると、逆転現象です。今や、圧倒的に家族葬が増えています。
家族葬・直葬の注意事項
「家族葬、直葬って、なんて楽な葬式なの?」確かに、ひと昔に較べると楽になりました。でも、故人様の生前の生き方によっては、一般葬、葬式でないとダメな場合がたくさんあります。
会社の代表者の葬儀、社葬に限らず、野球の監督、コーチや、お弟子さんを取る仕事、例えば、書道の先生・・・。このような方は絶対に、家族葬・直葬をされると、遺族の方が、ほんと、苦労されます。
実例ですが、筆者は娘2人に15年以上、書道を習わせました。その先生、師匠が亡くなられて、本人の希望で直葬にされました。しかし、訃報を聞きつけた弟子は、必ず弔問に行きます。49日までの中院壇・後飾りは、そのためにあります。毎日、夜ごと、弔問客を迎えるご遺族は、たまったものじゃありません。
直葬をしたばかりに、こんな苦労を・・・。お遺族様もかなり、お疲れになっていました。家族葬・直葬が絶対にいいとは限りません。
葬儀の読経と音楽葬
近年のもう一つの傾向は、僧侶による、読経のない葬儀をされる家族もあります。
「うちは無宗教です。」でも、それ以上に「読経なんて要りません」、そんなおうちもあります。
時代も変わりました。ご僧侶の読経で、葬式を執り行うのが普通だったのです。仏教では、葬儀は、死者に引導を渡す儀式でもあります。ですから、死者の魂が不安にならないようにと読まれる、「枕経」から始まり、お通夜・本葬・窯前の読経・初七日の読経、49日(満中陰)まで必ずお世話になる事が当然でした。
でも、そんな仏教観、持ち合わせていない。読経もらったら、葬儀代金が高くなるし。そんな方もおられます。読経の代わりに、故人が好きだった音楽テープを流したり。近年、よくいう音楽葬というのでしょうか。でも枕経から始まる一連の読経、それを聞いて、死者の魂があの世へいく手助けになると聞いた事があります。
初七日の済んだ魂は、三途の川に向かうといいます。そんな仏教観、正しいのか判りません。しかし、せめて、年老いた両親を送ってあげるのに、読経は欲しいものです。下記は直葬の写真です
菩提寺と葬儀社紹介の寺院
菩提寺という言葉があります。菩提寺とは、一般的に、家の先祖代々のお墓のあるお寺の事を言います。もともと、お寺には檀家制度があり、その菩提寺の檀家である事が一般的であったのです。その寺の宗派のやり方に則り、葬式や法事をお願いするが通常でした。
月命日には必ず、菩提寺のご僧侶が家に来られて、月参りをされたものでした。年忌法要の追善供養もしかりです。ですから、家族が亡くなると、必ず、菩提寺から、枕経をあげるために、ご僧侶が参られました。お通夜、葬儀、お逮夜(おたいや)と、故人を安心してあの世へ旅立たせるためにお世話になったものです。
しかし、近年の寺離れが原因で、菩提寺が無いご家庭が増えました。そんなご家庭で、誰かが亡くなられて、さあ、葬式をしなければ・・・。
両親から聞いていたお寺様とはもう、縁が切れている。さあ、どうしよう。そんなやり取りがある中で、必ず、お願いする葬儀社からご僧侶が紹介されます。葬儀があって、初めて、家の宗派を調べるおうちも多いです。しかし、紹介されたご僧侶も、葬儀の読経はするけれど、これから、長くお付き合いするかどうかは判りません。
従来の祭壇と花祭壇
従来からの葬儀の祭壇は白木が多かったです。自宅であれば、葬儀社さんが、祭壇を搬入されて、組み立てて、ご遺体を前に置いて、花を飾られ、具足を置かれたものです。
しかし、葬儀会館での葬儀が増えた事で、祭壇にも少し変化が生まれました。白木の祭壇のように、格式ばったものより、いっぱいのお花で、故人を送りたい。そんな思いでできたのが、花祭壇です。
よく著名人のお別れ会に、すごい量の花が生けられていて、それは素晴らしい花の芸術です。当然、生花ですので、高額になります。しかし、白木の祭壇のように、使い回された祭壇より、花祭壇の方が、遺族の思いが伝わります。
親の葬儀と自分の葬儀
葬儀の事を掘り下げて考えましょう。ここのタイトルは「親の葬儀と自分の葬儀」とあります。親の葬儀をする事は難しい事ではありません。(親の終活)。でもご自身の葬儀、特に、身内の少ない、もしくはお世話になるのが辛いあなた、ちょっと考える事があります。
まず親の葬儀。近年、葬儀の内容も大きく様変わりました。その故人様に相応しい葬儀ができるようになりました。また、親の意識も変わりました。今は、親も長生きします。親も自分の葬儀の事で、子供に大きな負担をかけたくない。立派な葬式は不要、家族葬で十分・・・。そんな言葉を残す親も増えました。
子供として、事前に、現状に相応しい葬儀社を探す事も出来ます。できれば、気に入った葬儀社に対して、会員登録しておく事をお勧めします。老親が病院で臨終を迎えた時、必ず遺族に対して、遺体の引き取りを強要されます。それも、長時間はご法度です。さっさと葬儀社に連絡して、ご遺体を引き上げに来なさい。そんな指示があります。
その時に、連絡先がなかったら、とんでもない葬儀社に移送されます。これは筆者の経験です。ですから、老親をお持ちの世代は、必ず、親を送る時が来るのです。その時、あわてふためかないように、事前に希望の葬儀社に会員登録しておきましょう。葬儀会館の選び方は、とにかく事前に、便利な所を、数件、廻って、会員登録しておく事です。結果、それが安くするコツです。
次に、自分のお葬儀を考えてみましょう。葬儀には必ず、喪主になる方が必要です。実子がいないおうちは、兄弟の子、甥御・姪御にお世話にならざるを得ません。しかし、甥御さん、姪御さんも葬儀は初めてなのです。
よく、「私が死んだら、このお金で葬儀してね」と、100万円を渡しておかれる方が多いです。しかし、預かる甥御さん・姪御さんも不安なのです。できるかどうか・・・。
でも、最近、新しい動きがあります。お寺が、そんな不安を払拭してれるプランを紹介されておられます。一度、問合せしてください。
超高齢化社会が起こした事
葬儀も変わってきました。その変化を事前に知っておくべきです。寿命も延びた近年において、医学も発達して、不本意に急逝される事は少なくなりました。延命治療もできるようになりました。親を送る場合、事前準備に時間があります。少し楽になりました。
そして、ご自身の場合、自分を送ってくれる子がいても、いなくても、事前に心づもりしておく事が大事なのです。終活に、「まだ早い」はありません。明日、亡くなるのは、親かも、ひょっとしたら、自分かもしれない。そんな時代です。親の葬儀の下調べと一緒に、自分の葬儀の事も意識して、考えておくべきです。
よく言われる事で、死ぬ順番を違える事、これは、最も不幸な事です。当然です。親よりも早く逝去する事は、最も親不孝な事です。しかし、超高齢化社会の現代において、順番を違える事が不幸・・・なんて流暢な事は言ってられないかもしれません。
老々介護の末、子が先に逝く・・・時折、耳にします。
補足(家族葬専門の葬儀社の案内)
「寿命が延びると、死への恐怖感が薄らぐ。私は枯れ葉が飛ぶように死んでいきたい・・・」作家の五木寛之が言ってます。戦中派で、仲間を特攻隊で失っている作家にとって、今は幸せの時代です。現代は、死は突然来ないのです。事故などの負荷効力による場合は仕方がないけど、現代の長寿社会においては、必ず、準備できる時間があります。
だから、葬儀も事前に調べておきましょう。
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