遺品処理の現場から
遺品処理・・・。重い言葉ですね。亡くなった方の、生活の後始末です。筆者は、関連業者様のお力で、何度か遺品処理の現場に立ち合わせて頂きました。
ある1件は、古くからあるおうちのようでした。朝に倒れられたのでしょうか?テーブルには、パンの入ったトースター、インスタントコーヒーの瓶。洗面所には握った後が残る歯磨き、寝床はお布団がひいたまま。洋服が、ちゃんとまとめてあって、きれいにハンガーにつるしてありました。きっと、当日、出ていかれる時の衣装だったのでしょう。生活が臨終の時点で止まっていました。だれもその日、自分が死ぬなんて思いません。胸が詰まる思いでした。
こんなケースもありました。その故人様は、入退院を繰り返しておられたそうです。日々の生活に必要なものを、最低限にまとめておられました。せめて、最後は人に迷惑をかけないように・・・。そんな思いだったのでしょうか。生活感のないご自宅でした。後始末に来られた、ご親戚の方に聞くと、故人様はガンだったとの事。余命宣告を受けられてから、とにかく、早く、早く、早く・・・と自分の生活の片づけをされたそうです。迫り来る自分の最期を知ったうえで、自らの没後の処理を考えられておられました。立派なお志だと、ここでも胸が詰まります。
親の遺品処理と自分の生前遺品処理について
親の遺品処理
昔の家長制度では、家督を継ぐのは長男で、家の財産は全て、長男に譲られました。そして、親と同居している長男が、親の後始末をするのが当たり前でした。でも、近年になって、子供みんなが法定相続分をもらうようになり、親の後始末は、長男がする、という考え方も変わってきています。終活の意識の高まりの中で、子供には迷惑をかけたくないという親も増えました。自ら終活を行う方も増えてきています。でも自分では、その方法がわからないという方が、たくさんいらっしゃいます。
両親が亡くなった場合、遺品処理は簡単です。法定相続人・多分、直系の卑属(実子・孫・養子)が集まって、価値のあるものをみんなで分け合う。要らないものは全て処分。ここ数年前まではそうでした。しかし、現在は、リサイクル・中古品引受・メルカリと、不要品と思っていたものが、価値が出る事もあります。ならば、自力で、メルカリに出して、購入者を探す事は、いい事です。しかし、これには、膨大な時間と手間がかかります。それが許されるのであれば、今は、親の遺品を高く売るチャンスでもあります。
筆者の経験ですが、カメラ好きの義父のカメラ・機材一式を転売にかけました。まったく売れなかったです。カメラはレンズの中の曇りが命取りだそうです。経験して判る事もたくさんあります。時間があれば、こういう経験も許されます。引き取り業者のバナーを張っておきます。一度、見てもらうのも、悪くありません
自分の遺品処理(所持品の処理)
遺品処理は、当事者が死んでから、・・・というのが今までの考え方でした。でも、自分の没後に、処理を全て遺族に任せる事に、抵抗を感じる方も増えています。
こんなご年配の方にお会いしました。
趣味が夫婦での海外旅行。ご主人、亡き後も、精力的に各地を廻られたそうです。その都度、その地の高価な品々を求めて帰って来たとか。「私も、90を迎えようとしているけれど、こんなに集めた品々、持って死ねないし・・・。残して死んだら、家族が取り合うのだろうか?」そんな思いが急に走り、娘たちに相談したら、「どうせ、たいした物がないんだから・・・。」と一蹴。ならばと、買取業者にお願いして、鑑定してもらうと、結構、高額の物も多かった。娘たちは大喜び。早速、換金。そして、要らないものは全てメルカリで販売・・・。昔、集めた貴重品が、どんどんと、お金に換わっていく事がうれしいです(笑談)。
自分の持っているものを自分の生きているうちに処分することも終活のひとつですね。あなたの持っているものが、高額なお金に換わるといいですね。
生活のダウンサイジング
ダウンサイジングという言葉、ご存知ですか? 本来は、会社や企業が、機器などを、従来のものより小型にしたり、人員やコストを削減することをいいます。では生活のダウンサイジングとはどういったことでしょう? おひとり様の終活サイトでも取り上げていますが、日常の生活をひとまわり、小さくすることを言います。具体的には、こうなります。
例えば、子供たちは独立して家を出ていき、夫婦2人の所帯になったら、そんなに広い家は必要ない。自分達夫婦と、孫が遊びに来てくれるスペースがあればいいので、大きな家は処分し、小さいマンションに入居する。車で行くのは病院とスーパーだけなので小型車に乗り換える。あるいは、近年の、高齢者ドライバーによる事故の増加を考えて、免許を返上する。など、生活の水準を小さくすることを言います。これによって、車代・水道光熱費・家の維持費など大きな負担からも、解放されることができます。
ファイナンシャルプランナーの先生が、生活のダウンサイジングを、勧めておられますが、実際は難しい事が多いです。とても勇気のいる事です。でも、実践する事で、気持ちが楽になられた老夫婦をたくさん、存じ上げています。残りの人生の中で今が一番若いのです。残りの人生で今しかできない事を前向きに考えていくということは大切なことですね。
遺品処理業者について
親の遺品処理については、ほんと、楽になりました。最近では、遺品処理業者の数も増えています。一定額の金銭さえ出せれば、遺族の遺品処理の負担は大きく減ります。昨今の遺品処理専門業者は、程度も質も向上し、以前のような、足元を見て、金額を吊り上げるような業者は減ったと聞いています。遺品処理専門業者を利用するにあたって大事な事は、業者と、現場で確認し、後になってトラブルの発生しないように前もって見積書をもらう事です。
後は、遺品整理業者に任せない事。これは、筆者の経験ですが、業者からすれば「どこまで片付けるの?」・・・そんな不安が料金を吊り上げます。また、業者からしても、金額を吊り上げやすい所です。
おひとり様の最期
次に、相続人のいないあなた自身の遺品処理の事です。ちなみに、あなたが残したものの中で、遺産と遺品は、まったく違います。あなたが死んだら、あなたの遺産(不動産など)はすべて国庫に帰属されます。しかし、あなたが残した遺品は、行政は一切、感知しません。行政はそんなものです。あなたの残した遺品の処理については、誰かのお世話になるわけです。その誰かは判りませんが、できれば、元気なうちに考えておきたいものです。
あなたの遺産(不動産等)を遺贈できる親戚がおられたら、遺産を遺贈する事を条件に、遺品処理のお願いをしてください。それも、あなたが生きているうちに、遺品処理業者を決めておく事で、法定相続人は安心します。いつも思います。おひとり様は、法定相続人や特定縁故者を指定し、遺産を遺贈する事の引き換えに、あなたの遺品の処理をお願いする事が、最良の手段です。
また、実例として、賃貸住宅に長くお住まいの方、居住しているアパートの大家さん(または家族)に、遺品処理をお願いする方もおられます。死亡届の申請者の欄に、大家さんの項目があります。つまり、最後の処理は大家さんもあるんですね。ならば、大家さんに、いくばくかのお金を預けて、遺品処理のお願いをする。これも、一つの手かもしれませんね。
最後に
最近、遺品処理は、ほんと、楽になりました。お金さえ出せば、最後まで、きれいにしてくれます。時代がよくなったんでしょう。
自分自身の遺品処理については、誰か、お世話になれる方を探す事です。同時に、信頼できる処理業者を、探しておく事です。そして、金額を提示してある見積もりを取っておく事をお勧めします。これは、お世話になる方に対しても、大事な事です。全て決めておいて、残りの人生、穏やかに暮らせれば幸せですね。筆者は供養の現場で、多くの方の終活と、生前の遺品処理対策を聞いてきました。皆様、穏やかなお気持ちです。素晴らしい事と思います。
下記に、遺品処理業者のバナーを張っておきます。別に怖い業者ではありません。まずは、相談からです
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